弟がおふくろをパリに連れて行ってくれている(^O^)

LINEで送られてくる画像は、旅行の楽しさの「ざわめき」があふれている。

 

フランスのモンサンミッシェルから写真が送られてきた。トンボロという、潮の満ち引きで島への道があらわれる場所は、香川の余島とか日本にもあるけど、モンサンミッシェルは規格外の100年プリントの輝きを放っていた。

 

海外の旅行というのは、この規格外のスケール感がたまらない。日本人は定住というのが大好きだ。そんな民くれにとって、旅は異次元の世界へ導き、ただならぬ、出会いを仕掛けてくる。ともかく世界はでかい。

 

この修道院の裏手の古い宿に泊まった、僕は屋根裏部屋に通された、ドアがあって屋根の上に出られて、茜色に染まる夕日をいつまでもいつまでも眺めていた。

 

ぶるぶるとした夏の日が暮れ落ち、対岸を見渡すと、無数のランタンの灯がともり、それはヨーロッパのひとのバカンスの意気込みの魂の灯火のように思えた。心はこの世ならざるほど、ざわめいていた。それこそが海外旅行の醍醐味のような気がする。精神と、肉体の活性化がたまらない。

 

おふくろが弟に、「これが最後の旅かな」と呟いてさびしくなるとLINEを送ってきた。そうか、僕にも遠からず、そんなときが来る。ただ思う、日本に帰るとおふくろも再起動して、心が井戸からくみ上げた水で洗われるように、きっと心晴れやかに立ち上がるだろう。旅は孤独を飼い慣らすような力を与えてくれるからだ。