おはようございます。クレスト渡部です。
1月も早くも最終週。時の流れを感じる前に、ため息が「ほーっ」と出る週初め。先週喫茶でお茶をしばきながら(笑)ある本を読んでいると、昭和の大スター美空ひばりさんとと小林旭さんが歌のやりとりした内容が掲載されていました。
「我が胸に人に知らざる泉ありつぶてを投げて流したる君」(ひばり)
「石を持ち投げてみつめん水の面音たかき波立つやたたずや」(旭)
なんと大和撫子なのか!!WOW
こんな恋文が来たら、想像力電流が体を24回転くらいしてスパークしそう。なんか読み返しますよね・・・こういういの。奥歯ガクガクしなかがら。
ITの仕事をしながらいつもながら思うのは、書くということがホンマ、少なくなったということ。何かの連絡がメールやFACEBOOK、LINEになり超便利。
もう連絡は「書く」というよりは、「打つ」というのが定番になってしまった。電文では、相手の顔が浮かびにくいのが残念からげる。(笑)
おまけにあまりしみじみ所作をかけて読み返すこともない。連絡ソレものが心に留まりにくい時代を認識して生きなければならない・・。
まあ、いつもの戯言はこの辺りで置いといて・・(^O^)
さて、今日のテーマは『いき』です。
お正月で1番面白かったのは「100分de日本人論」というNHKの番組。これはピカイチ!おもしろかったのです。自身の記録用にも、番組を少しだけ書き起こします。
番組では、九鬼周造「『いき』の構造」を紐解きます。
西洋の概念ではありえない、お江戸の「いき」
著者九鬼は芸者さんや遊女さんなどの異質な日々をおくっている人の中に『いき』を論じ、女性と男性の間にあるはかなさという、奥深い『いき』や、小唄や浄瑠璃、近松や西鶴が持っている心の交情、揺れ動く姿に『いき』の構造を感じます。
女性は、柳腰、細面、目は流し目
過去の憂いと、凛とした張り
口は緊張と緩み
薄化粧。(厚化粧は野暮)
つぶし島田の髪型、抜き衣紋
湯上がりのほつれ髪・・・。
暗示され、覆いの美学
間接的に見せてもらうと・・・蓄積されていく
変態か?このオヤジと思いながら・・うなずけます。(笑)
もともと「いきであるか、いきでないか」この判断はむずかしい。
100%かっこいいもダメ、どこははずさないとならない。
予定調和は好まない・・。
女の子とデートして1件目食事して、お酒が苦手な女子とは
2件目は「ケーキ」を食べに行くのがブームなのも理解できる(笑)
九鬼周造は「いき」を、3つの条件が揃ったときに成立すると哲学します。
「媚態」「意気地」「諦め」がキーワード
——————-
まず「媚態」、男女が相手を惹きつけようとみせる色気が大前提
——————-
『いき』の第一の微表は
異性に対する『媚態』である。
異性との関係が『いき』の
原本的存在を形成していることは、
『いきごと』が『いろごと』
を意味するのでもわかる。
しかし男女の中には緊張感が大事、いざ緊張感がなくなると媚態がなくなる・・。
媚態の要は、距離を出来得る限り接近せしめつつ、
距離の差が極限に達せざることである。
男の色気か・・と溜息が出る。
——————–
この微妙な距離感に必要なのが「意気地」
——————–
『いき』は媚態でありながらなお異性に対して一種の「反抗」を示す
強味をもった意である。
慣れ合って、くっつきすぎてしまうとダメ。意地の距離感・・か。
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その根底には運命を受け入れる諦めの気持ち「諦め」
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『思ふ事、叶はねばこそ浮世とは、よく諦めた無理なこと』なのである。
この世は無常、未練はすっぱり諦める
いきはこの三位一体が必要となるという。
九鬼周造は失って初めてわかるのが、『いき』だと解きます。
「失ってわかる高倉健」であります。
うーん。人生は未練の踏み台昇降運動・・・むずかしい(笑)
もっと深いのですが、長くてまとまりません。(すみません)
ともかく文学的で『いき』が深くとてもおもしろ番組でした。
番組中に、伊集院静さんが、いまの女子高生の『いき』を語っていたのが日常のワンシーンのようでおもしろかったので最後に紹介。
女子高校生がものすごい怒ったことを
そう!! ぶっ殺してやるくらい、怒ったことを
「激おこぷんぷん丸だよ」とメールしてきたという。
野暮でない、うまいずらしの塩梅がたまらない(^O^)/
「激おこ」かうまいな~。ネットの中にもイキがあるようで・・。
毎日、自分を1mmバージョンアップしていくことの先に
なんだちょっぴりクールで、ウィットもあって、儚いもの
そんな『いき』を探したいですね。
今日はこんなところです。
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