日曜日は、山下達郎さんの65回目の誕生日。

 

サンデーソングブック「山下達郎特集!棚からひとつかみ」を聴きながら、日常に、生きている実感を感じる午後。

 

18歳で達郎ファンになった。言葉を尽くしても説明できないほどの人生の潤いを、得てきた。

 

たとえばこんな感じ。

 

2012年9月2日

 

30年ぶりに夏フェスに達郎さんが出演することとなり、松山から車を飛ばして僕は山中湖に駆けつけた。「夏フェスは最初で最後かもしれない。野外で達郎サウンドを夏のLIVEで聴いてみたい」、胸がヒリヒリして止らなくなり、この世ならざるモノをみたいという気持ちは、過剰で、狂るおしいモノとなり、心に噛みついてきて増殖し制御ができないほどになっていた。

 

夏フェス山中湖湖畔。会場の大多数の若者は初めて見る生の山下達郎。達郎さんは登場すると、挨拶代わりよろしく夏フェス用インスト「LOVELAND、ISLAND」を演奏。

 

「ようこそ」と祝福するように奏でられた、山下達郎の世界観。そして「こんにちは、山下達郎です」と気合いの挨拶。僕には、その声が若いアーティストへの挑戦状のような聞こえた。

 

(中略)

 

12時間以上一人で四国松山運転してやっと逢えた、達郎サウンド。号泣きだった。情けない(笑)まさか、まさかSPARKLEにこんなに泣けるなんて思わなかった。

 

人生が「つまんない」とき。「つまらない」ものを「つまる」ようにすることが大事なようだということを知った。そう、かなり無理して自分を「つまらせて」山中湖まで来たのだ・・。

 

こういう時に神様は、人生の双六で、ジャンプポイントを用意してくれている。それを実感した瞬間だった。

 

そして、それだけの見返りがある、対象というのはそうは人生でお目にかかれない。ただ僕にはひとつだけある、それが達郎さんだ。

 

そして、エンディングへ

10. RIDE ON TIME

 

(中略)

 

達郎さんのギターのイントロに、エレピの難波弘之 ( キーボード )がリズムを重ねて行く。

 

キーボードの難波さんの髪型も何十年も同じというのもすごい(笑)そう、変わらないもののすごさ。ここにもあり(^^;)阿吽の呼吸で何十年のコンビが紡ぎ出すRIDE ON TIMEのイントロ。

 

ギアをローからセカンドへと、クラッチを踏んであげていくようなアナログの疾走感。

 

抜き差しならない日常に、くだらないことに拘泥している心に、立ち上がれ、立ち上がれ、と信号を送ってくる。

 

そして夏の終わりの夕暮れのラスト。プレシャスなひととき。ラストに「サヨナラ夏の日」が流れた。

 

夏の火照りとともに、達郎さんが天空に押し上げてくれた孤独。まるで、その孤独が、絶望と挨拶を交わし歩き出してゆくようだ。

 

体の隅の隅まで、音楽に満たされるというのはこういうことだろうか。細胞がリブートしたような感覚、体のどこかを押すと「ドミソ」と音がしそうな程だ・・・。

 

僕は2012年の夏、その次の出番のperfumeを観ることもなく松山に向けて、山中湖を後にしていった。

 

そして、達郎さんは65歳。年金受給者ですと笑いをとっていた。あと、何度コンサートに行けるだろうかと考えると、寂しい気持ちになる。

 

今日はこんなところです。