おはようございます。クレストデジタルズ渡部です。

直木賞と本屋大賞と同時に受賞するとは何事だと、心は、はばかりながら

恩田陸「蜜蜂と遠雷」を読みあさる。

「なんだこりゃ、ラファエロみたいな女、恩田陸」

レオナルドダビンチ → ラファエロ →ミケランジェロと引き継がれた

三大巨匠のルネサンス

バチカン市国にいけば、バチカン美術館を鑑賞しないでかえるのは

ミラノに行って、ダヴィンチの最後の晩餐をみないでかえるのにひとしい

バチカン美術館 第3室「署名の間」は、ラファエロの間

ラファエロの最高傑作といわれる「アテネの学堂」

https://goo.gl/orqicf

50人以上の古代ギリシャの賢人が集まり、議論しあう様子が表現されている。

真実のありかを、中央のプラトンは天(イデアの世界、概念の世界)を指さし、

アリストテレスは火鉢に手をあてるように、大地(現実の世界・自然科学)に

手のひらを向けている。

アレクサンドロス大王や地球儀を持ったプトレマイオス、人物の立ち位置、ポーズ

人物の距離感など、この絵の前でギリシャ人は1時間は語れるでしょう。

日本にこういう絵はないんですよね・・・語り部が足りなかったのかな??

面白いのは、ギリシャの喫茶店にいくと、大の男が喫茶店で

それはそれは何時間も頭のボルトが三本くらい抜けたほど陽気に

昼間から喋っているのだけど、ギリシャの奥深さをしれば、

その日常は至極自然のことなのだと思う。

語り部の数が違うんですよ、それが文化なんだ・・・。

恩田陸「蜜蜂と遠雷」

タイトルをみたときは、音楽コンクールの物語とは思えなかった。

主人公は養蜂家の息子で、ピアノの天才という設定。

養蜂家という仕事の解説はなかったけど、なるほど花から花へと授粉することの例

えのように、見知らぬ人と見知らぬ人を音楽という「ギフト」でつないでいく。

ラファエロには愛人がいた、ローマのパン屋の娘マルガリータという。

なんか・・・野に咲く綺麗なお花のようだ。好きになりそうだ・・早すぎる(笑)

ラファエロは枢機卿の娘と婚約。結婚直前で花嫁は死亡。

枢機卿から他の娘と結婚を許されないという不条理に置かれた。

そんなときにマルガリータがあらわれる。

彼女を描いた『ララ・フォルナリーナ』完成を待たずにラファエロは死んだ。

この絵は弟子たちによって完成。

完成時の絵の中のマルガリータの左手の薬指には、

あったはずの指輪が消されていた。

それは許されぬ愛が故の修正だった。後年、絵の修復のため、エックス線写真を

撮ったところ、左手の薬指部分に指輪の痕跡が写った。

参照
https://note.mu/toshimitsu_k/n/n5498b1afc5c9

「アテネの学堂」という絵の中には、若きマルガリータとラファエロが

ある程度の距離を持ちながら描かれている。

生きている間には決して縮めることができなかった距離。

2時間も待って入ったバチカン美術館で、その時間を忘れさせてあまりある

ローマ在中のMS井上さんのガイディングに聞き惚れ、感動がとまらなかった

あの10月のインディアンサマーの一日を思い出していた。

僕は、一日でラファエロが好きになった。

恩田陸「蜜蜂と遠雷」

音楽を文字で聴かせた一作。

ラファエロが一枚の絵に込めた思いと、等質のものがここにある。

ぜひ、ラファエロと音楽好きの方にオススメです。

2つとも好きな人はおらんでしょうね(笑)

バロック音楽の根底には、絶対王政とカトリック教会の威信を高めるためだった

そのことを深掘りしてみたいけど、お前のメルマガは長くて読みにくい

と言われるので(笑)次の機会に

今日は、こんなところです。