西郷どん「第二話」

貧乏を貧乏とせず、こやしにした時代。

西郷さんは、寡黙な人というイメージとは裏腹に、そこは小説らしく快活にテレビドラマとして描かれていく。

調べると、西郷家は御小姓与(おこしょうぐみ)という身分で、これは10の家格に分れていた薩摩藩士の下から2番目の身分だそうだ。(大久保さんも同じ御小姓与)西郷家は七人兄弟+父母+祖父母の11人家族、どうかんがえても生活は困窮してたに違いないと思える。

原作者、林真理子さんの女性目線で、ドラマは進行。西郷家の妹たちの困窮や、お手伝いの女の子が売られてて行くシーンなど、細切れにちらちらと、挿入されていく。

正直にバカがつく、西郷さんの絡み方を見ながら思ったのはおふくろのことだった。

正月のこと、ビュッフェで親戚一同が集まり食事をし、母は家にかえり、ハタと領収書をみる。そこで一人分払ってないことに気がついたおふくろ。すると何の衒いもなく、寒い中その一人分を払いにわざわざ店まで戻ったという。お店の人も何を感じたのか「わざわざこんでも、わからんかったのに」と告げたそうな、「食べたモノはお支払いしないとバチがあたるから」と母は、どうやら笑い飛ばしたらしい。

「バカ正直」というものの、もう八十歳まで続けていれば、モノが違う。この話しを聴きながら、ただひたすら不埒な自分を恥じ、襟を正し、居住まいを正さねばと、ロープ最上段からの脳天唐竹割りを浴びた気分になった。そうだな、母の一生の事実を新聞にするなら、このシーンを切り取らないといけないなと思ってしまったのだ。

夏目漱石は「愛嬌というのはね、自分より強いものを倒す柔らかい武器だよ」と言った。

その言葉は、最近の自分の好きな言葉だった。

さりとて、ですよ、正月に母のこの話をきいていると、愛嬌には「気に入られたい」という意図がどこか滲んでいて、「愛嬌」は「バカ正直」と正面対決では勝てない(笑)「バカ正直は」漆を何重にも重ねた、母の場合は八十年塗った、匠の逸品のようなもので成立しているらしい。

そんなこんなも、「西郷どん」のおかげですね。

一日メルマガ発行が遅れてすみません(^^;)

今日はこんなところです。