NHKのクローズアップ現代で瀬戸内寂照さんが出演されていた。胆のうがんが見つかり一度は寝たきりとなった93歳の瀬戸内寂聴さんが語る、「10冊の本を読むより、1回の本気の恋をしなさい」「青春は恋と革命」だと。大阪では大阪都構想を掲げた橋本市長が敗れた。「NOと言える政治家」が、府民にNOをつきつけられた。人は現状維持という安定を求めた。環境が良くても、悪くても人は対応できる能力があり厄介だと思った。

 
さて、本日は錦織圭選手がイタリアにいるのでローマの話題から・・。

 
初めてアリタリア航空に乗った時に初めて食べたラザニア。幾重に重なった平らい生地の中に、チーズとトマトソース、かぼちゃとかほうれん草が登場。そのハーモニーとはじめの食感は、永遠の永遠の都ローマの思いに着火するに十分であった。

 
添乗員で旅をするのは私にとっては青春だった。

 
「永遠の都」ローマにつくのはいつも夜になる。夜のフィミチーノ空港から市内のホテルまで約30KM。

 
ドライバーにチップを余分に10ドル渡す。深夜のサンタンジェロ城、そしてコロッセオと寄り道コースを走ってもらうためだ。夜のローマの街はオレンジ色の街灯に映し出されるのが格別だ。幻想的にあらわれるサンタンジェロ城を見ながら「あーローマに来たんだな」とボクはいつも思う。遠回りになるけど、夜のコロッセオを車窓越しにみせると感動していただける。それは100年プリントなんだ。そうやって、お客様のヨーロッパの感動増幅スイッチをONにするのが好きだった。

 
あのオレンジ色の街灯をバスから見ながら、日本の街の夜景はなんと薄っぺらいもんだと考えてしまう。ホテルに到着。全身がけだるい。ポーターに荷物を運んでもらうのだけど時間がかかるのと、誤配ミスが多いので自分で部屋まで持って行ってもらうようにすすめるのがベテラン添乗員ならでは最初の仕事。ローマ市内にはいるまでに、これらのことをすべて説明。荷物が届いた時に渡す1ドルもあとから徴収しますと伝えておく。そして、重要なのはヨーロッパはホテルの部屋の大きさがまちまちで豪華な部屋もあるけど、4畳半の部屋もあると説明する。それが「ヨーロッパスタイルのホテルで、団体旅行の流儀なんですよ。もし4畳半にあたったら・・翌朝教えて下さい・・・。どこかで挽回します。」、と念を押す。

 

 ローマという街で感じるのは、古代からのインフラの凄さだ。街道、神殿、広場、競技場、公共浴場、上下水道。それが国の政治と直結している。

 

 
ローマのアッピア街道を見に行くと2000年前の道を歩くことができる。通常は土を固めた道でいいものをなんで?石畳にしたかという話題をローマの夜お酒を飲みながら話をするのが好きだった。そのためには、塩野七生先生の本をこっそり勉強しておかねばならない。(笑)この話はワインをすすめるには十分で、感動増幅ドリンクのワインが人と人を近づけるのが旅だ

 

 
ローマがヨーロッパの都であれた理由が舗装された道にある。「どうやって費用を捻出し、8万キロもの道をつくったのか?」

 

 
雨の日は泥に足が取られ荷車は進まない。晴れの日でも舗装されていれば荷車は重量のかかる荷も問題ない。そして、軍隊の敏速な移動を可能にした。制覇した地には占領軍を常駐しない、敗者と摩擦を生むからだ。何かあればこの道を使って行軍が可能。武田信玄が信州(長野県)を攻めるため(上杉謙信との戦いに備えて)に作った軍用道路の真っ直ぐな道棒道を思い出す。「戦わず勝つ」の真骨頂ここにありだ。

 

 

「すべての道はローマに通ず」インフラをつくるための「ハードとソフト」また塩野七生先生の本をまた読み返したくなってきた。

 

 
さて、そんなローマで錦織圭選手のイタリア国際男子テニス!

 

 
準々決勝でジョコビッチ選手との戦い。定点観測のような、深夜のテレビ観戦。一人だけの熱狂。セットを重ねるにつれ、ジョコビッチ選手が1m位後ろに下がるが、錦織圭選手は固くなに下がらず、応戦。負けはしたけど、いつも可能性を感じるのはなぜだろうか?

 

 
コートサイドのマイケル・チャンコーチ
17歳で全仏。準決勝でレンドルを倒し(最終セットのアンダーサーブは伝説)、決勝でエドバーグにフルセットで勝利し優勝。日曜日にYOU TUBEでその動画を追いかけていると、まるで錦織圭がプレーしているように見えた。彼は自分のすべてを伝授しているんだと思った。

 

 
「今までは、錦織選手は自分と戦っている。」と考えていた。その考えは間違えていると確信した。

 

 
錦織選手は「マイケル・チャンコーチに認められ、感動させるために戦っている」そんな気がしてきた。

 

 
役者は大衆を感動させるために演技をしているだろうか?そんな掴みようもないもの実感が無いものをターゲットにはできないはずだ。映画であれば目の前の黒沢監督を感動させるために、役者は演技する。1m前の人を考えさせれなくて、大衆を感動させれるわけがない。

 

 

全仏でマイケル・チャンコーチに17歳の青春を思い出させて、うならせてやれ。

 

 
今日はこんなところです。