ボクはいまイチロー選手を追いかけています。

 

イチロー選手は42歳。今シーズンはプロ解説者の誰もが3000本安打達成は難しいと予想していた。出番が少ない4月。イチロー選手にまさかのまさか!「代打の代打」25年目で初屈辱、その時の彼の唇を噛みしめていた映像が、脳天からはなれない。昨シーズンの打率が229だったのを考慮されたのか、代打の捨て駒に使われたのだ。しかし、その根絶やしできない屈辱に熱せられるように、無言で不死鳥のように、孤独の皮膚を纏いながらイチローは蘇った。すでに日米通算通算安打でピートローズの4256本を越えて、今度は米国での3000本安打まで、残り16本となり、7月中の達成も予想される。

思い出すのは2009年韓国を自らのセンター前ヒットで決め優勝したWBC。WBCではイチローは絶不調だった。12打席無安打。そのキューバ戦で12打席目は進塁のバンドを自ら選択してアウトになるという絶望的な状況。その時イチローはベンチにもどり声を荒げた。

 

「すまん!」「俺のせいだ、なんとかしてくれ!」

 

原監督は、その言葉にしびれたという。誰もが言えんのですよ、そんなことばを、みんなの前で、そういう大切な場面で。

人間の言葉を、限りなく削ると。「ありがとう」と「ごめんなさい」の2つになる。この2つの言葉で生きてゆける。

「ありがとう」はみんなよく使う、一方「ごめんなさい」は言えない人が多い。「ごめんなさい」に正直になれないのは、人間の弱さなのか?開ききって100%ごめんというのは、もともと言いにくい気もする。そうだ「ごめんなさい」は微妙に使いにくい。丁寧すぎるというか、馴れてないというか、日本語ならでは欠点ではないだろうか。英語ならI’m sorryで言いやすい。

そのかわり「すまん!」というのは男は使いやすい。(女性なら「すみません」だろうか)辞書で引くと「きまりがわるい」と書いてある。この言葉「すまん!」は、リーダーたちにとって魔法の言葉だ。「すまん!」のあとには、なにかすでに無意識に、かならず「俺が挽回する」の力づよさがひめられている。イチロー選手はもっと凄い。「すまん!」のあとに「俺のせいだ、なんとかしてくれ!」とみんなのこころに飛び込んだ。そこにいた、監督、選手、仲間達は体に電流が走り、内臓と内臓がこすれ、止めようのないアドレナリンが流れたのではないだろうか。

男女のけんかで、男は「100%、俺が悪かった」と言わなければ、そこから恋は、山の斜面を転がり、泥沼にむかうだろう。尚、ここまでは「すまん!」「俺のせいだ」と同じ意味といえる。(^O^)だが、もう一言必要なんだ、覚えておいてくれ「なんとかしてくれ!」だ。お前のすべてが大好きだから・・・「なんとかしてくれ!」と体ごと、魂ごととびこんで、100%ゆだねるしかない。(笑)

つくづく、日本語は難しいと思う。

だけど、つくづくなんと素晴らしいんだろう。

今日も「毎日がスペシャル」になりますように。

 

マーリンズ・イチロー【写真:Getty Images】