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山下達郎 Maniac Tour 2014 を観に神戸まで行ってきました。
このマニアックコンサートにはヒット曲はありません。RIDE ON TIMEもクリスマスイブも封印。シングルのA面も歌わない。それでも神戸国際感の会場のボルテージはMAX。「観客が達郎さんをリスペクトをしている」そんな空気の蔓延がなんともいえない。
マニアックにはこだわりや、変態的な凝り、オタクなどの言葉が似合うけど、言い換えればオンリーワンである。そこまでの工程はとても非効率であり、常識の物差しを持たずに、商業的なにおいがしない。なにか、自分の内側に内側に内省的に食い込んでくるものがあるのだ。マニアックが似合う男、ダンディズム。何かを追い求める力だけが、カルチャーをつくる。そして自己完結回路がある。
達郎さんのアカペラは曲芸。20数トラックを自分の声で重ねて、ドライブ感まで生み出す。ヒットなんて狙ってないし、音楽へのカタルシスでもない。世界で多分一人だけの芸術作品。肉声の倍音という世界観は、いまだどんなミュージシャンにも生み出せない。ここですごいのは、泥臭いモノがないんだよなあ・・。まさに達郎マニアックの真骨頂がそこにある。
Rhodesというピアノで達郎さんは弾き語りをする。オルガンでも、シンセでもない・・鍵盤楽器。輸入第一号はその達郎さんだ。大学時代先輩がいつも酔っ払ったら、キーボードを弾きながら歌う歌が「シャンプー」という曲だった・・。そしてついについに生で、はじめて達郎さんの「シャンプー」弾き語りをメロウなRhodesサウンドできいた。マニアックは泣ける・・・。
マニアックな人は、絶対に譲れないものを持っている。
コンサートで子供が泣いた時に、「周りの方優しくしてあげて下さい、僕のLIVEは子供の鳴き声で価値が下がったりしませんから・・・」コンサートで子供の入場をお断りしいるミュージシャンがいるけど、そんなことをすれば若いママは文化を享受できなくなる。
スカッとする。
達郎さんが、コンサートの最後にいつも掛ける言葉が好きだ、今回は必死でメモして覚えてきた。(笑)
音楽とりわけポピュラーニュージックというのは人の幸せに奉仕するものだと昔から僕は考えています。これからも皆さまの心の片隅に小さな光をともせるお手伝いをできればと思います。今日はありがとう。
コンサートでいつも化け物にあったような気分になる。音楽の求道者にあっているんだと思う。
マニアックは狂気を併発し、その狂気はリスクをリスクと思わない。率先しリスクに向かう。
突っ切るためには、どこかでシフトチェンジして自分をハイテンションに持って行かねばならない
しかし、マニアックはマニアックでいられなくなった時。強烈な副作用がある。薬に走る人もいる。同様の誘惑が伴う。
「音楽の世界では、大きく二つの働き方があります。作品を自ら作り表現する側、作り手を助けることでビジネスをする側。作り手を目指すといっても、ロックンロールの場合、ギターコードを三つ知っていれば曲が作れてしまう。でもその程度では100曲は書けません。自分の魂の叫びがいくら強くても、すぐに限界が来るのは冷徹な事実です。音楽表現を長く続けていくためには、継続的な訓練と学習が必要なのです」。
山下達郎は達観している。
今日はこんなところです。
生涯青春 渡部雅泰
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