おはようございます。クレストデジタルズ渡部です。
 
土曜、日曜と久しぶりに、NHKスペシャル 司馬遼太郎思索紀行「この国のかたち」よかったー、心が井戸からくみ上げた水で洗われるように、晴れやかになる。
 
没後20年。生原稿や未公開の手紙の取材が許されたとのことで、生原稿を見るだけで、何か興奮してしまう。松山の坂の上の雲ミュージアムにある作品の中でも、「坂の上の雲」の最初の生原稿を見るだけでLIVE感が心の琴線を空色に染めてくれる。
 
「この国のかたち」という本は、何冊か読んだことがあります。
日本人とは何か?初日の テーマは「島国」、日本の好奇心はどこから出てくるのか?
 
その島国好奇心にある根源的なものは、神仏習合だと司馬先生は語ります。木々や草花にも、山にも多種多様の神がいると信じられていた、それは八百万の神の信仰。壱岐の島では流れついた小さな仏像を大事にする、奈良県の丘陵それ自体が神である三輪山、鎖国時代、暗闇の箱の中長崎の出島にあいた一つの穴から入ってくる、異国への好奇心・・等々司馬先生の視点は歴史を的確に突いてくる。
 
そして、日本人は思想がゼロなのではないかと言われる、が、無思想という思想が、底の底にあるのではないかと思うと語る。
 
一番興味があったのは、日本の時代の中で室町文化の文化が今も脈々と流れていて、能狂言、謡曲 、華道茶道 、行儀作法、婚礼作法もこの室町時代からおこったという話。東山文化の特色はなんといっても書院造り。畳に村田珠光の佗茶があり、床の間に雪舟の掛け軸、そして生花を飾る・・・本当にこの床の間文化は今も続いているんですよね。
 
京都に行くと、小生が必ず行くのが足利義政ワールドの東山文化の銀閣寺。このお寺は禅宗であり臨済宗で、水を用いず、水をも象徴化した枯山水(応仁の乱で京都は焼土となり水を引けなかった)や、書院造りで有名。東山文化の象徴的な場所
ダメ将軍義政は政治を妻日野富子に任せて、応仁の乱へ突入、何十万の兵が動員され、豪傑も登場せず、よくもまあ、だらだらとそれが11年間も続いたものだ。文化に明け暮れた義政は、下克上でよく暗殺されなかったものですね。しかしながら、これで京都の貴族や公家なども全国に散らばり、義満の建築オタクと文化萌えが、地方に伝播したのは滑稽でもあり、糾える縄のごとし、歴史は深くねじまがりながら想定をはずれるのが面白い。
その頃武士ははじめて、自我にめざめ、 露骨に実力を発揮し、活気横溢となり、世は戦国時代の幕開けとなるわけです。これは何かで読んだのですが、 明日の我が身が分からない武士の兜は 香を焚き染めていたそうで、元々は貴族が着物にその香りを染めていた事がキッカケで、こういう、鎮静効果の香木を宋から集めたコレクターがこれまた義政で、 「伽羅」は黄金の価値があったそうです。うーん義政あなどれず・・・。まさに日本人の好奇心ここにありですね。
 
以上が土曜に放送の内容の感想です。そして日曜日のテーマは、“武士”。鎌倉時代の武士が育んだ、私利私欲を恥とする“名こそ惜しけれ”の精神!鎌倉の坂東武士の清々しさと、北条早雲の武士のあり方などが紹介され、汚職がない、明治の役人達の、痛々しいほど清潔さと、公の意識、高い倫理観はどこから来たのかなどがテーマでしたが、またいつかメルマガでも紹介します。
 
小生の好奇心もたいしたモノで、高校生のころ、雑誌の通信販売であそこが大きくなる装置を発見、その装置の内容はわずかな広告で海の物とも、山の物ともわからないのですが、興味はやむにやまれず。3000円くらいで購入しました・・・。そしてついに到着。両親にも発見されず、自室で心躍り、玉手箱を開けるようにふたをあけると・・・なんとでました、すごいの・・・。虫眼鏡拡大鏡。「ありえんやろ」「高校生騙しやがって」、昭和の多感な若者の抱えた、好奇心の憤りはいかばかりか・・・、それでも次の商品に向かう勇気(笑)、あー青春の好奇心でありました。(笑)
 
さて、別なまじめな話題ですが、NHKぶらタモリの2回に渡る松山特集の放送はみなさんご覧になられましたでしょうか?地形が好きなタモリさんの観点は面白いですね、興味が出てきて松山城主加藤嘉明の本をAMAZONで購入してみました。好奇心2。
 
そして、日曜の夜の真田丸を見ながら思ったのは、次男のあり方みたいなものです。長男は厳しく育てられるが、次男は親もある程度手加減が加わり、結構自由に育つ。長男を見ながらほめられるこつを学び、愛される術を自然に会得し、なにかしら出番を探している。真田の環境では、次男は城持ちにはなれないなかで、幸村がどう生きるか、そんなことを楽しみに三谷幸喜という奇才を眺めています。ちなみに、スポーツ界で次男は活躍するらしく、プロ野球では長嶋、王、イチローや松井秀喜もみんな次男だそうです。好奇心3。
 
それにしても、世の中のニュースの話題は男と女の浮気話や、国家議員の低俗な振る舞いのニュースばかり、こんな世の中に必要なのは、お坊さんの議員ではないかと、司馬遼太郎ワールドを見ながら思うしだいです。(^O^)
 
今日はこんなところです。